+【2021年度改定対応】ADL維持等加算とは?概要・算定要件を解説します+
ADL維持等加算とは?
ADL維持等加算とは、利用者の健康状態・身体機能維持が適切にできていることを評価する加算手当です。
こちらは2018年度の介護報酬改定に伴い新設された加算手当で、手当の種類は2種類あります。
また2021年4月度の介護報酬改定に伴い、利用者の対象の事業所を拡大、算定要件が一部変更となります。
今回の改定の背景には、「介護事業所が利用額が比較的高額・高い収益が期待できる利用者のみを受け入れるのを防止すること(クリームスキミング)」・「日常生活動作機能の向上・維持を実現できる利用者を増やすこと」を目的に、算定要件を変更しています。
ADL維持等加算の詳細・算定要件
ADL維持等加算の算定要件は下記の通りとなります。定められた基準を全て満たすことで、こちらの加算手当が追加されます。
尚、(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定はできません。
◆算定対象◆
(改定前)
デイサービス
(改定後)
・デイサービス
・認知症対応型デイサービス
・特定施設入居者生活介護
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・介護老人福祉施設
・地域密着型介護老人福祉施設
ADL維持等加算(Ⅰ)
◆単位数◆
(改定前)
3単位/月
(改定後)
30単位/月
◆算定要件◆
(改定前)
①5時間以上の利用回数が、5時間未満の利用回数を上回っている利用者総数が20名以上
②評価対象利用期間の初月内で、要介護3以上の利用者が利用者総数の15%以上
③評価対象利用期間の初月時点で、要介護・要支援認定を受けた月から12か月以内の利用者が利用者総数の15%以下
④評価対象利用期間の初月・6か月目で、利用者の90%以上のBarthel Index(ADL値)(※1)の測定結果を厚生労働省に提出している
⑤ADL利得(※2)が上位85%の利用者全員のADL利得を合計した数値が0以上
(※1…日常生活動作(ADL)を評価した数値のこと。)
(※2…評価対象利用開始月から起算して6か月目に測定したADL値から、評価対象利用期間の初月に測定したADL値を差し引いたもの。)
(改定後)
①事業所の評価対象利用期間が6か月を超える利用者が、利用者総数の10名以上
②利用開始月・利用該当月の翌月から6か月目に、BI(バーサル・インデックス)に関する研修(※3)を受けた者がADL値を測定、測定日が属する月ごとに科学的介護システム「LIFE」に登録する
③利用者開始月の翌月から6か月目に測定したADL値から、利用者開始月に測定したADL値を差し引いたものに(ADL利得)、初月のADL値・要介護認定に関する数値を加えたADL利得(調整済ADL利得)の平均数値が「1」以上
(※3…BI(バーサル・インデックス)の測定方法・関連マニュアル及び測定方法動画(厚生労働省作成)を用いた研修のこと。)
ADL維持等加算(Ⅱ)
◆単位数◆
(改定前)
6単位/月
(改定後)
60単位/月
◆算定要件◆
(改定前)
①ADL維持等加算(Ⅰ)の算定要件(改定前)の①・②を全て満たしている
②評価対象利用期間終了後もADL値を測定、厚生労働省に提出している
(改定後)
①ADL維持等加算(Ⅰ)の算定要件(改定後)の①・②を全て満たしている
②利用者開始月の翌月から6か月目に測定したADL値から、利用者開始月に測定したADL値を差し引いたものに(ADL利得)、初月のADL値・要介護認定に関する数値を加えたADL利得(調整済ADL利得)の平均数値が「2」以上
(引用元:令和3年度介護報酬改定の主な事項について(厚生労働省発行))
改定に伴う経過措置対応があります
2021年4月度の介護報酬改定より前にADL維持等加算に関する届出をしている事業所を対象に、改定後のADL維持等加算に関する届出がまだできていない場合の経過措置対応を実施しています。
経過措置対応を適用する且つ、改定前のADL維持等加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている場合は、ADL維持等加算(Ⅲ)が加算されます。
まとめ
ここまでADL維持等加算の概要・算定要件・改定内容・経過措置対応についてをご紹介しました。ADL維持等加算は2021年4月度の改定に伴い、加算単位が10倍に増え、算定要件が大きく緩和されます。
この記事が参考になったら幸いです。