+【2021年度改定対応】特定事業所加算とは?概要・要件を解説します+
特定事業所加算とは?
概要
特定事業所加算とは特にクオリティの高い介護サービスを実践していると認められた介護事業所に加算される手当です。
厚生労働省が定める条件を全て満たした上で、届出することで特定事業所加算が適用されます。
適用される介護サービスは訪問介護サービス・居宅介護サービスの2種類です。
特定事業所加算の種類は「特定事業所加算Ⅰ~Ⅳ」の4種類あり、適用条件や加算される割合はそれぞれ異なります。
特定事業所加算の適用条件
特定事業所加算の適用条件は訪問介護・居宅介護で異なります。尚、具体的な条件は以下の通りです。
訪問介護の場合
①訪問介護員全員に対して研修計画書を作成、計画書に基づいた研修を実施している
②職場内で定期的な会議を実施、サービス提供後の報告がある
③従業員への健康診断の実施(最低でも1年に1回)
④緊急対応の方法を明確にしている
⑤所属している介護職員の30%以上が介護福祉士資格を所持している
所属している介護職員の50%以上が介護福祉士+実務者研修を所持している
⑥サービス提供責任者が実務経験3年以上の介護福祉士もしくは実務経験5年以上の実務者研修修了者
⑦前年度または直近3か月で、要介護4~5もしくは認知症利用者、痰の吸引行為を必要とする利用者が20%以上いる
居宅介護の場合
①常勤の主任介護支援専門員が2名以上
②常勤の介護支援専門員が3名以上
③利用者情報・サービス提供時の注意事項の共有を行う会議を週1回以上実施
④24時間介護サービスの提供・相談対応できる体制を確保している
⑤要介護3~5の利用者が全利用者数の4割以上
⑥介護職員に対する研修計画の作成及び評価/改善対応
⑦地域包括支援センターと連携した支援体制の整備
⑧地域包括支援センター主催の事例検討会への参加
⑨運営基準減算もしくは特定事業所集中減算を受けていない
⑩介護職員1人に対して利用者数が40名未満
⑪ケアマネジメントの基礎技術に関する実習に協力している
特定事業所加算の種類・適用条件
「特定事業所加算Ⅰ~Ⅳ」の4種類あり、具体的な加算割合・適用条件は以下の通りです。
①特定事業所加算Ⅰ
加算割合:所定の単位数に20%加算
適用条件:
(訪問介護)
①~⑦まで全ての条件を満たしている
(居宅介護)
①~⑪まで全ての条件を満たしている
②特定事業所加算Ⅱ
加算割合:所定の単位数に10%加算
適用条件:
(訪問介護)
①~④全て・⑤or⑥のいずれかを満たしている
(居宅介護)
①~⑩の条件を満たしている
③特定事業所加算Ⅲ
加算割合:所定の単位数に10%加算
適用条件:
(訪問介護)
①~④及び⑦の条件を満たしている
(居宅介護)
①~⑩の条件を満たしている
④特定事業所加算Ⅳ
加算割合:所定の単位数に5%加算
適用条件:
(訪問介護)
・②~④の条件を満たしている
・サービス提供責任者への研修計画の作成・実施
(居宅介護)
・特定事業所加算Ⅰ~Ⅲ全てを満たしている
・退院・退所加算(※1)が適用され、医療機関等の連携回数が通算35回以上である
・ターミナルケアマネジメント加算(※2)の算定回数が通算5回以上である
(※1退院・退所加算…退院・退所で自宅での生活に切り替える際に、ケアプラン作成・居宅介護サービスの適用開始する際に加算される手当)
(※2ターミナルケアマネジメント加算…ターミナル期の利用者に対して、医療処置や居宅介護サービスの適用開始する際に加算される手当)
2021年度からの改定内容
令和3年度より、訪問介護の特定事業所加算において「特定事業所加算Ⅴ」が新設されました。
加算割合は所定の単位数に3%加算、適用条件は条件①~④を満たしている・実務経験7年以上の訪問介護員が全体の30%以上であることの2つです。
尚、「特定事業所加算Ⅴ」は「特定事業所加算Ⅲ」と併算定が可能です。
まとめ
ここまで特定事業所加算の概要・適用条件・種類・2021年度からの改定についてをご紹介しました。
特定事業所加算は全ての事業所に加算される訳ではなく、規定の条件を満たしていると認められた事業所のみ加算されます。
また2021年度より訪問介護における特定事業所加算の種類が増えたため、より質の高い介護サービスを安定して提供するような体制作りが進むことが期待されます。
この記事が参考になったら幸いです。